追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「これこれ、騒ぐでない。捕まったのだから、それでよかろう」
そんな第二王子を宥めた国王が、厳かな口調でエマに話しかけた。
「エマ・ゴールトン、そなたが聖女ではないかという意見が出ておる。それは、本当なのか?」
「…………」
「処刑場で結界を張って逃げ、高度な魔法で空を飛んだという報告もされている。また、辺境のスラム街で光魔法の使用も報告されている」
しかし、エマは下を向くばかりで答えない。
リマは真っ赤な絨毯の上を移動してエマに近づき、彼女の頬を強く打った。
「さっさと答えなさいよ、陛下がお尋ねになっているのよ? このグズ女!」
続いて、跪かされた細い背中を容赦なく、何度も踏みつける。
エマに使用人の真似事させていたときも、同じように彼女を足蹴にしていた。
双子の姉は、どれだけ痛めつけても反抗しない、反抗できない。
十七年間一度も、リマにやり返すことなんてなかった。そういう風に育てられているのだ。
――だから、エマなんて、怖くないわ。
ここで国王に協力しておけば、リマの株の上がるというもの。
「結界なんてスキルを持っているくせに、どうして今まで黙っていたのよ? 私たちを欺くのが、そんなに楽しかった!? どうせ、心の中で馬鹿にしていたんでしょ!」
そんな第二王子を宥めた国王が、厳かな口調でエマに話しかけた。
「エマ・ゴールトン、そなたが聖女ではないかという意見が出ておる。それは、本当なのか?」
「…………」
「処刑場で結界を張って逃げ、高度な魔法で空を飛んだという報告もされている。また、辺境のスラム街で光魔法の使用も報告されている」
しかし、エマは下を向くばかりで答えない。
リマは真っ赤な絨毯の上を移動してエマに近づき、彼女の頬を強く打った。
「さっさと答えなさいよ、陛下がお尋ねになっているのよ? このグズ女!」
続いて、跪かされた細い背中を容赦なく、何度も踏みつける。
エマに使用人の真似事させていたときも、同じように彼女を足蹴にしていた。
双子の姉は、どれだけ痛めつけても反抗しない、反抗できない。
十七年間一度も、リマにやり返すことなんてなかった。そういう風に育てられているのだ。
――だから、エマなんて、怖くないわ。
ここで国王に協力しておけば、リマの株の上がるというもの。
「結界なんてスキルを持っているくせに、どうして今まで黙っていたのよ? 私たちを欺くのが、そんなに楽しかった!? どうせ、心の中で馬鹿にしていたんでしょ!」