追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
全員でエマを糾弾していると、タイミングを見計らったように国王が部下の役人に命令する。
「例のものを持ってくるのだ」
「かしこまりました」
しばらくして、部下の男が金色に輝く棒を持ってきた。
リマの腕くらいの長さがあるそれは、過去の異世界人が作った特殊な道具「隷属印」だった。
百年以上前に作られたそれは、聖遺物として王宮に保管されている。
不思議な力が宿った棒を対象者に向けると、隷属の魔法が発動するのだ。
魔法を受けた者は体に印が浮かび上がり、道具を持つ者の命令に従わなければ死んでしまうという呪いにかかる。
この道具を使って、国王たちは捕らえた魔族を意のままに動かし、さらに多くの魔族を誘拐させた。
これさえあれば、モフィーニア中にキーラン国の息がかかった者を送り込める。
少し前までは、国境を越えてキーランに入る物好きな魔族はいなかった。
けれど、百年も経って警戒が薄れたのか、ちょうどいい具合に馬鹿な魔族が姿を現してくれて助かった。
そいつのおかげで、国王やフィリペの機嫌はいいし、エマだって捕まえられたのだから。
誘拐した魔族の中には、獣姿のものも混じっていたけれど、そちらは使えそうになかったのでまとめて牢屋に閉じ込めている。
「例のものを持ってくるのだ」
「かしこまりました」
しばらくして、部下の男が金色に輝く棒を持ってきた。
リマの腕くらいの長さがあるそれは、過去の異世界人が作った特殊な道具「隷属印」だった。
百年以上前に作られたそれは、聖遺物として王宮に保管されている。
不思議な力が宿った棒を対象者に向けると、隷属の魔法が発動するのだ。
魔法を受けた者は体に印が浮かび上がり、道具を持つ者の命令に従わなければ死んでしまうという呪いにかかる。
この道具を使って、国王たちは捕らえた魔族を意のままに動かし、さらに多くの魔族を誘拐させた。
これさえあれば、モフィーニア中にキーラン国の息がかかった者を送り込める。
少し前までは、国境を越えてキーランに入る物好きな魔族はいなかった。
けれど、百年も経って警戒が薄れたのか、ちょうどいい具合に馬鹿な魔族が姿を現してくれて助かった。
そいつのおかげで、国王やフィリペの機嫌はいいし、エマだって捕まえられたのだから。
誘拐した魔族の中には、獣姿のものも混じっていたけれど、そちらは使えそうになかったのでまとめて牢屋に閉じ込めている。