追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「あんた、何か言ったらどうなのよ!」

「……今のはただの光魔法と風魔法です。飛ばされた人は気を失っているけれど、死んでいないから大丈夫」

「大丈夫じゃないわよ! ふざけないでよね!! なんで私に反抗するの? どうして私に刃向かうのよ!! 私は未来の王子妃よ!?」

今の状況は、リマの理解の範疇を超えている。

「どうしてと言われましても。逆に聞きますが、リマこそなぜ……自分がしてきたことを、相手からやり返されないと思えるんですか?」

エマの片眼が赤く妖しい光を帯びる。

「ひっ……! 嫌っ……!!」

リマは息を呑んで、弱々しく首を横に振った。

今まで散々エマを虐待してきたけれど、まさか彼女が反撃してくるなんて思ってもみなかったのだ。
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