追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
※
混乱が広がる謁見室の中、拘束を解いた私はシリルを振り返った。
「キーキーと、うるさい人間だな」
リマの声を聞いたシリルが不快そうに眉を顰める。
「エマに危害を加えて……ただで済むと思うな」
いつも穏やかなシリルらしくない、低くて険しい声だった。
リマは私の魔法に脅えたのか、声も出せずに震えている。
謁見室の最奥では、国王や彼の部下が、奥に控えた兵士を呼び出していた。
「あの者たちを捕らえるのだ!! 不敬である!!」
まだ金の棒は見つかっていないみたいだ。それもそのはず。棒は今、シリルの足下にあるのだから。
……正確には、子犬姿の下級魔族が口に咥えている。小さな可愛いモフモフは、嬉しそうに尻尾を振りながらはしゃいでいた。
これらは全て、私やシリルの想定内のことだ。
混乱が広がる謁見室の中、拘束を解いた私はシリルを振り返った。
「キーキーと、うるさい人間だな」
リマの声を聞いたシリルが不快そうに眉を顰める。
「エマに危害を加えて……ただで済むと思うな」
いつも穏やかなシリルらしくない、低くて険しい声だった。
リマは私の魔法に脅えたのか、声も出せずに震えている。
謁見室の最奥では、国王や彼の部下が、奥に控えた兵士を呼び出していた。
「あの者たちを捕らえるのだ!! 不敬である!!」
まだ金の棒は見つかっていないみたいだ。それもそのはず。棒は今、シリルの足下にあるのだから。
……正確には、子犬姿の下級魔族が口に咥えている。小さな可愛いモフモフは、嬉しそうに尻尾を振りながらはしゃいでいた。
これらは全て、私やシリルの想定内のことだ。