追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
※
気づけば、私はふわふわと闇の中を漂っていた。
ここはどこだろう。私は死んだはずでは……?
真っ暗だけれど自分の周りだけぼんやり明るい、不思議な空間だ。
「あれ……?」
僅かな灯りの中に見知った人物を見つけ、私は思わず大きな声を上げる。
「フレディオ?」
そこには、死んだはずの元魔王が立っていた。
静かに佇むフレディオは、落ち着いた声音でエマに話しかける。
「君が来るのを待っていた、話がしたかったんだ。この空間は、私の加護によるものだから、不安に思う必要はない……時間が来れば消える」
「私は死んだのですよね?」
尋ねれば、フレディオは黙り込んでしまった。肯定……ということみたいだ。
表情を歪めた彼は、まるで許しを請うように私の前に膝をつく。
「エマ、すまない。私は君に残酷な役目を押しつけてしまった。結界の可能性を見つけた君が命をかけるであろうことは、鑑定でわかっていたはずなのに。あの場で最も多くの魔族が助かる方法を考え、聖女であるエマに全てを託すことを選んでしまった。友人にこんな酷い仕打ちをするなんて、到底許されることではない」
自嘲し、思い詰める彼を前にして、私は微笑む。
「私がしたくてしたことですから、フレディオが気に病む必要はないですよ。あの場に、子供のシリルを行かせるわけにはいきませんし、モフィーニアで勇者と聖女に対処できるのは同じ異世界人である私だけでした」
それに、彼がいなければ、私はもっと前に命を失っていた。
気づけば、私はふわふわと闇の中を漂っていた。
ここはどこだろう。私は死んだはずでは……?
真っ暗だけれど自分の周りだけぼんやり明るい、不思議な空間だ。
「あれ……?」
僅かな灯りの中に見知った人物を見つけ、私は思わず大きな声を上げる。
「フレディオ?」
そこには、死んだはずの元魔王が立っていた。
静かに佇むフレディオは、落ち着いた声音でエマに話しかける。
「君が来るのを待っていた、話がしたかったんだ。この空間は、私の加護によるものだから、不安に思う必要はない……時間が来れば消える」
「私は死んだのですよね?」
尋ねれば、フレディオは黙り込んでしまった。肯定……ということみたいだ。
表情を歪めた彼は、まるで許しを請うように私の前に膝をつく。
「エマ、すまない。私は君に残酷な役目を押しつけてしまった。結界の可能性を見つけた君が命をかけるであろうことは、鑑定でわかっていたはずなのに。あの場で最も多くの魔族が助かる方法を考え、聖女であるエマに全てを託すことを選んでしまった。友人にこんな酷い仕打ちをするなんて、到底許されることではない」
自嘲し、思い詰める彼を前にして、私は微笑む。
「私がしたくてしたことですから、フレディオが気に病む必要はないですよ。あの場に、子供のシリルを行かせるわけにはいきませんし、モフィーニアで勇者と聖女に対処できるのは同じ異世界人である私だけでした」
それに、彼がいなければ、私はもっと前に命を失っていた。