追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「……どうか、償いをさせて欲しい。君に私の加護を与えた。魂を消滅させず、新たに生まれ変わらせることができるというスキルを使った」
「もしかして、ステータスに魔王の加護とついていたのは?」
「死ぬ間際に私がエマに与えた加護だ。せめて、来世では幸せになって欲しいと……身勝手極まりない理屈だな。君の命を奪ってしまったというのに」
「そんなことありませんよ。その前に、森で命を助けてもらっていますから。魔獣の餌にならずに済んだのは、フレディオのおかげです」
フレディオはこの世界で私に居場所をくれた。優しいモフィーニアの魔族を守れたのなら、彼の役に立てたのなら本望だ。
「それより、魔王の加護について詳しく教えてください」
「魔王の加護は鑑定スキル(大)以上でしか見られない特殊スキルで、加護を与えた相手を転生させることができるというものだ。ただし、エマの癒やしや解呪のスキルと同様で自分自身には使えない。転生先も選べないし、どのような状態で、どこに転生させるかも選べない」
これらは、魔王だけが持つスキルのようだ。
生前の記憶やスキルはそのまま引き継げるようだが、どういう状態で現れるかは不明だという。大昔に転生を果たした者はいるが、残っている記録が曖昧らしいのだ。
「フレディオは、転生できないのですよね?」
「いいんだ。普通は皆、転生なんてできない。ただ、私が特殊スキルを持っていただけで。友よ――私が言えた義理ではないが、次の人生は普通の人間として幸せになって欲しい」
「そんな、フレディオ」
「……ああ、時間切れだ。エマ、どうか良きセカンドライフを」
そして視界全部が闇に包まれ、ブツリと私の意識は途切れた。
「もしかして、ステータスに魔王の加護とついていたのは?」
「死ぬ間際に私がエマに与えた加護だ。せめて、来世では幸せになって欲しいと……身勝手極まりない理屈だな。君の命を奪ってしまったというのに」
「そんなことありませんよ。その前に、森で命を助けてもらっていますから。魔獣の餌にならずに済んだのは、フレディオのおかげです」
フレディオはこの世界で私に居場所をくれた。優しいモフィーニアの魔族を守れたのなら、彼の役に立てたのなら本望だ。
「それより、魔王の加護について詳しく教えてください」
「魔王の加護は鑑定スキル(大)以上でしか見られない特殊スキルで、加護を与えた相手を転生させることができるというものだ。ただし、エマの癒やしや解呪のスキルと同様で自分自身には使えない。転生先も選べないし、どのような状態で、どこに転生させるかも選べない」
これらは、魔王だけが持つスキルのようだ。
生前の記憶やスキルはそのまま引き継げるようだが、どういう状態で現れるかは不明だという。大昔に転生を果たした者はいるが、残っている記録が曖昧らしいのだ。
「フレディオは、転生できないのですよね?」
「いいんだ。普通は皆、転生なんてできない。ただ、私が特殊スキルを持っていただけで。友よ――私が言えた義理ではないが、次の人生は普通の人間として幸せになって欲しい」
「そんな、フレディオ」
「……ああ、時間切れだ。エマ、どうか良きセカンドライフを」
そして視界全部が闇に包まれ、ブツリと私の意識は途切れた。