あなたは私の救世主!~俺様ドクターの命じるままに
みくるの細い指がほんの少し動き、
聖人の手を握ろうとしている。

『みくる!?分かるか!?』


まだ熱があり意識が朦朧としながらも、
必死に聖人の瞳に焦点を合わせようとしている。

母は急いで神田先生を探しに病室を飛び出した。

『……ごめん、ね………私、ぅさぎ…に、』

『絶対消えるなよって、俺言っただろ!?
どうしてすぐ言わなかったんだょ…』


みくるは握られていた手を離し、聖人の涙を
拭ってあげた。

『…デート、楽しくて……ぃえなかったの』

『ごめん……気付いてやれなくて、本当ごめん!』

『ぅぅん…私、消えてもぃいから……最後、
聖人くんに……大人にしてもらぃたかったの…』


薄く照れ笑いをするみくるも涙を流し、
今度は聖人が優しく拭いてあげた。

『……生きてて、ょかった…
また、聖人くんに会えて…良かったです』


< 117 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop