あなたは私の救世主!~俺様ドクターの命じるままに
母と一緒に向かった先は、VIP専用フロア。

それぞれ個室にはテレビやマッサージチェア、
ベッド等が置いてあり、患者はその部屋で待っていると、主治医が来てくれて診察をし、点滴や
採血等の処置も看護師が来てやってくれるのだ。

みくるは、ここにしか来たことがないので
病院とはこういうものなんだと思っていた。


『失礼します。こんにちは、みくるちゃん』

『こんにちは…』

まず最初に現れたのは小児科医の神田先生。

『調子はどう?風邪ひいたりしてない?』

『うん。元気…』

『ん?あまり元気に見えないけど。
何か気になる事でもあったかな?』

『ううん…』

『そっか……体の事じゃないみたいだね。
この後平井先生が来るから相談してみるといいよ。じゃあ今から採血してその次注射ね』

『うん…』


平井先生は精神科医。

体の事は神田先生、心の事は平井先生に相談
するものだと、みくるの中で決まっていた。


< 16 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop