あなたは私の救世主!~俺様ドクターの命じるままに
『着替え持ってきただけだから、すぐ帰るわね。
あっ、お父さんの様子も見に行かなきゃ!』

『え?もう帰るんですか!?』

『恋人同士の邪魔は出来ないもの』

『聖人さんは恋人だけど、お母さんは邪魔なんかじゃないよ…』

『ふふっ、ありがと。けどお母さんもフラフラになってる恋人を放っておけないからね』


母はみくるの用が済むとすぐに、ショックを受けてるであろう父の所へ向かった。

『お父さん……みくるが恋をするなんてね』

『…ぁぁ……』

『順調に成長してるって事なんだから!ね!?』

『…そぅだな……』

力が抜けてしまった父は院長室のソファに
張り付くように座り未だ放心状態。

『ぅふふ、けどあの子を受け止められるって、
柊先生もよほど自信があるのか、よほど変わり者なのか…どっちなのかしら?』

『…ぅぅ……』

悲壮感漂う父を、母は優しく見守った。


そして、たぶん聖人はよほど自信があってよほど変わり者で…よほど優しい男なのかもしれない。

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