あなたは私の救世主!~俺様ドクターの命じるままに
周りが見えなくなっている幸せそうな2人を、
遠くから見ていたのは…葵と、彼氏で小児科医の
小山だった。

『あれって、柊?』

『そうみたいね』

『え!?一緒にいるの、みくるちゃんだよね!』

『早く行くよ!』

『ぁ、うん…』


*****


無事病室に戻ってきても、みくるの興奮は
続いていた。

『デート、すっご~~く楽しかったです!!
早く退院したいなぁ~~』

『こんなデートでも喜ぶなんて、退院してデート
したら凄い状態になりそうだな…』

『退院したらもっと凄いデートなんですか??』

『そんな期待されるとプレッシャーだけど…』


みくるは、終わってしまうこの時を寂しく感じ、
顔がどんどん哀しげになっていく……

『ミルク。…デート終わりの別れ際にする事……
なにか分かるか?』

『別れ際に、する事は……さょならの挨拶?』

『正解…』


すると聖人はみくるの顎を少し上げて、
優しく唇を重ね……さょならの挨拶をした。

『……これが、ぁ…あぃさつ…』


頬をピンク色に染めて下を向くみくるが
愛おしくてたまらなくなった聖人は、
思わず抱きしめ呟いた。

『ヤバぃ……仕事戻れるかな…』


するとみくるは聖人の背中に手を回し、
ギュッと体を離さない。

『んふふ。戻しません。』

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