翠玉の監察医 アイネクライネ
蘭はそう淡々と言い放った後、男に手刀を喰らわせる。男はあっけなく地面に倒れ、蘭は素早く男を拘束した。

「……先を急ぎましょう」

蘭はポカンとしている様子の子どもたちに声をかけ、教室を出て行く。ハッとした六人も、慌てて教室から出て蘭を追い始めた。

廊下を走り続けていた蘭は、ふとある教室の前で足を止める。その教室の机には本来置かれていないはずのものがたくさん置かれていたのだ。蘭は吸い寄せられるように教室の中へと入っていく。

机の上に置かれていたのは、たくさんの武器だった。銃、ナイフ、鞭、斧、鎌、弓、剣など数多くの種類が揃えられている。

「すげぇ……」

「この銃、軍隊が使っるやつだ」

子どもたちは並べられた武器に興味の目を示す。蘭は拳銃を手にし、細工などがされていないかどうか調べてみた。しかし、蘭が撃った際に暴発してしまうというような細工は施されておらず、普通に使用できるようだ。

「少しお借りします」
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