翠玉の監察医 アイネクライネ

「武器を捨てるな！戦え！！」

アーサーがステージから叫ぶものの、男たちには蘭の冷たい声の方が響いたようだ。銃を捨て、手を挙げていく。

蘭は降伏した男たちを拘束した後、体育館を見回した。体育館には男たちが倒れており、残っているのはアーサーただ一人だ。蘭はゆっくりとステージに近づいていく。

「私は生きています。早く教えてください」

蘭が近づくと、アーサーに発砲された。蘭は避けたものの、銃弾が頬をかすって血が流れていく。それでも蘭は表情を変えずに近づいていった。

「この化け物！」

アーサーは顔を真っ青にしながらそう言い、蘭に掴みかかる。蘭はアーサーを投げ飛ばそうとするが、アーサーがさらに暴れて攻撃をするため、所々に傷のできた蘭の体はさらにボロボロになっていく。

「お前人殺しだろ？あの時、あの場所で、一体何人殺した？人の命を奪っておいて人の死を調べる仕事を続けるとは、罪滅ぼしのつもりか？これを星夜が知ったらどうなるかな？」