獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
ところが、ホッとしかける私にガブリエル様はさらなる爆弾を投下した。
『そ、それは勘違いというものです! だってあなたは、私のことを『面白い』と評しました。どう考えても、それは愛ではあり得ない。少しばかり毛色の異なる私への、単なる好奇です』
『お前はおかしなことを言う。俺の胸に芽生えた好奇が一生涯潰えぬ感情であるならば、人はそれを愛と呼ぶのだ。俺の妃となり、その目で俺の愛を確かめればいい』
捕食者のようだったガブリエル様の瞳は一転、真摯な光を湛えて真っ直ぐに私を見つめていた。私が視線を逸らすこともできず、目を真ん丸にして固まっていると、彼がフッと頬を緩めた。
え?っと思った時には、整った造作がドアップで迫っていた。
そうして今まさに唇の表層にふわりとした感触が――。
『うわぁああっ!?』
気づいた時には、ドンッとガブリエル様を弾き飛ばし、ついでに彼が羽織ったマントを力任せに引っぺがして駆け出していた。
私は頬骨から下半分化粧を残したまま、奪ったマントを巻きつけて控室から逃げた――。
『そ、それは勘違いというものです! だってあなたは、私のことを『面白い』と評しました。どう考えても、それは愛ではあり得ない。少しばかり毛色の異なる私への、単なる好奇です』
『お前はおかしなことを言う。俺の胸に芽生えた好奇が一生涯潰えぬ感情であるならば、人はそれを愛と呼ぶのだ。俺の妃となり、その目で俺の愛を確かめればいい』
捕食者のようだったガブリエル様の瞳は一転、真摯な光を湛えて真っ直ぐに私を見つめていた。私が視線を逸らすこともできず、目を真ん丸にして固まっていると、彼がフッと頬を緩めた。
え?っと思った時には、整った造作がドアップで迫っていた。
そうして今まさに唇の表層にふわりとした感触が――。
『うわぁああっ!?』
気づいた時には、ドンッとガブリエル様を弾き飛ばし、ついでに彼が羽織ったマントを力任せに引っぺがして駆け出していた。
私は頬骨から下半分化粧を残したまま、奪ったマントを巻きつけて控室から逃げた――。