獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!
「まぁ、それは新調された数あるドレスの内、ほんの一部でございます。他にもオーダーしていたドレスだけでさらにふたつ、衣装小物でひとつ櫃がございますから」
「まさか、それも君が運ぶのか!?」
「はい」
返答に驚くと同時に、私はユリアの置かれた労働環境が心配になった。彼女は日頃からこんな扱いをされているというのか。
「では、それも僕に任せてくれ」
「とんでもありません! これ以上ヴィヴィアン様のお手を煩わせるわけにはまいりません」
「ははっ、そんなのは気にしないでいい。言っただろう? 僕はちょうど手が空いているんだ。空いた手を有効に使わない手はない」
「私の仕事ですのに、なんだか申し訳ないですわ……」
恐縮しきりのユリアを横目にして、私はピンと閃く。
「なぁユリア、決して荷運びの礼というんじゃないんだが、もし君がよければの前提でひとつお願いをしてもいいだろうか?」
「なんでしょう」
「運び終わった後、僕に君の虎耳や尻尾を少しだけ撫でさせてくれないか」
「まさか、それも君が運ぶのか!?」
「はい」
返答に驚くと同時に、私はユリアの置かれた労働環境が心配になった。彼女は日頃からこんな扱いをされているというのか。
「では、それも僕に任せてくれ」
「とんでもありません! これ以上ヴィヴィアン様のお手を煩わせるわけにはまいりません」
「ははっ、そんなのは気にしないでいい。言っただろう? 僕はちょうど手が空いているんだ。空いた手を有効に使わない手はない」
「私の仕事ですのに、なんだか申し訳ないですわ……」
恐縮しきりのユリアを横目にして、私はピンと閃く。
「なぁユリア、決して荷運びの礼というんじゃないんだが、もし君がよければの前提でひとつお願いをしてもいいだろうか?」
「なんでしょう」
「運び終わった後、僕に君の虎耳や尻尾を少しだけ撫でさせてくれないか」