ささやきはピーカンにこだまして
第14章『I'm just a girl.』
午前7時半、競技会場の都立高校のもより駅に集合。
グループメッセが入る前にわたしの当日予定はもう決まっていた。
なにしろ弟が参加する大会だ。
準々決勝からは男女同会場になる決戦の場に、わたしも出向くなら姉として荷物持ちくらいはしてあげないと。
『任せてよ』
どんと胸を叩いたわたしに二紀がなぜか困ったふうに眉毛を寄せて、見せてくれたのはネットの時刻表。
なんとその私鉄の駅は、わたしたちの家からは地図ならまっすぐなのに、電車を利用するとJRで新宿駅へ出て、あっちへ行って、こっちへ行って、私鉄に乗り換えて…というやつで。
示されていた所要時間は1時間。
『まぁじぃ……』とため息をついたら、二紀が『夕クシーで行くし』と言ってケータイを操作しながら自室に消えた。
早起きがイヤだから、こういうときは抜群の行動力だね、とあきれていたのに、朝おきたらもう二紀はランニングに出ていて。
わたしと母さんは、新しく用意した保冷バッグに、おすそわけもできるようにスポーツドリンクと水のペットボトルをつめて、マイボトルにはうがいにも使える熱い緑茶、待ち時間のおやつにキャラメルと、初等部の運動会の朝以来のてんやわんや。
『二紀が来てって言うまで、ママは観戦には行かないほうがいいのよね』
父さんの大きなボストンバッグに用意したものをつめながら、母さんがさみしそうにつぶやいて。
『一路。任せたわ』って。
グループメッセが入る前にわたしの当日予定はもう決まっていた。
なにしろ弟が参加する大会だ。
準々決勝からは男女同会場になる決戦の場に、わたしも出向くなら姉として荷物持ちくらいはしてあげないと。
『任せてよ』
どんと胸を叩いたわたしに二紀がなぜか困ったふうに眉毛を寄せて、見せてくれたのはネットの時刻表。
なんとその私鉄の駅は、わたしたちの家からは地図ならまっすぐなのに、電車を利用するとJRで新宿駅へ出て、あっちへ行って、こっちへ行って、私鉄に乗り換えて…というやつで。
示されていた所要時間は1時間。
『まぁじぃ……』とため息をついたら、二紀が『夕クシーで行くし』と言ってケータイを操作しながら自室に消えた。
早起きがイヤだから、こういうときは抜群の行動力だね、とあきれていたのに、朝おきたらもう二紀はランニングに出ていて。
わたしと母さんは、新しく用意した保冷バッグに、おすそわけもできるようにスポーツドリンクと水のペットボトルをつめて、マイボトルにはうがいにも使える熱い緑茶、待ち時間のおやつにキャラメルと、初等部の運動会の朝以来のてんやわんや。
『二紀が来てって言うまで、ママは観戦には行かないほうがいいのよね』
父さんの大きなボストンバッグに用意したものをつめながら、母さんがさみしそうにつぶやいて。
『一路。任せたわ』って。