ささやきはピーカンにこだまして
小松には『うん』とか返事させちゃうし。
先輩とか後輩とかあっさり小松に忘れさせちゃう二紀といると、こっちまで感覚がおかしくなってくる。
「ねえさ、八木。おれ何度か試合には出させてもらってるけど。こんなに楽しいの、初めてだよ」
「…………」
ちーっとも先輩扱いされてないのにかい?
あんたがそれでいいなら、わたしもそれでいいと思うことにするけど。
「がんばってね、小松。二紀をよろしくね」
「うん!」
こんなふうに、準にもがんばってって言えたらいいのになぁ。
タクシーの順番がきて。
「小松先輩。前に乗って」
そう言うと二紀は、自分はさっさと一番先にうしろの座席にもぐりこんだ。
「やっ、ちょっと、二紀」
あんたが先に乗ったら、わたし、どうやったって準と――。
「なによ。早く、姉貴も乗って」
「だって…」
「だって、なに? ぼくらのほうが足が長いんだから。窮屈でしょ、真ん中は」
……はい。
先輩とか後輩とかあっさり小松に忘れさせちゃう二紀といると、こっちまで感覚がおかしくなってくる。
「ねえさ、八木。おれ何度か試合には出させてもらってるけど。こんなに楽しいの、初めてだよ」
「…………」
ちーっとも先輩扱いされてないのにかい?
あんたがそれでいいなら、わたしもそれでいいと思うことにするけど。
「がんばってね、小松。二紀をよろしくね」
「うん!」
こんなふうに、準にもがんばってって言えたらいいのになぁ。
タクシーの順番がきて。
「小松先輩。前に乗って」
そう言うと二紀は、自分はさっさと一番先にうしろの座席にもぐりこんだ。
「やっ、ちょっと、二紀」
あんたが先に乗ったら、わたし、どうやったって準と――。
「なによ。早く、姉貴も乗って」
「だって…」
「だって、なに? ぼくらのほうが足が長いんだから。窮屈でしょ、真ん中は」
……はい。