ささやきはピーカンにこだまして

 (じゅん)がうつむいた。
 ちがうよ。
 弱虫なのはわたし。
「今からそんなこと言ってるようじゃ、ぼろ負けだね、準」
 ゆっくりと上がってくる準の頭に、突然、雲間から差してきた朝の光がきらきらと作る天使の輪っか。
 もう降参。
 わたしはきみが好き。
 見た目が好きだからじゃない。
 天使の輪っかは、わたしに思い出させてくれるからだ。

 つらい思いをしているひとに、気づけなかったわたし。
 なにもしてあげられなかったわたしに、あのひとは『ありがう』と言ってくれた。
 
 わたしになにができる?

 わたしはなにをすればいいの?

 天使の輪っかはいつだって、わたしを叱ってくれる。
 いつだって、わたしを導いてくれる。

 できることをしなさい。
 今、できることを……。

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