ささやきはピーカンにこだまして
「当たるなぁ、わたしらの天気予報は。亜美ちゃんに置き傘、貸してあげてよかった」
「自分はどうするの?」
「早く掃除に行きなさい」
男子集団に準も交じっていたなんて気づかなかった。
このごろ、準はときどきこういうことをする。
いつもはどこにいても目立つのに、フッと気配が消えている。
それはほとんど、わたしがキャプテンぶっているときのような気がするから。
やっぱり違和感があるのかなぁ。
「ちぇ。宮地や大島にはやさしいこと言ってたくせに」
話しだすと、いつもの生意気・準だけど。
「あら。じゃあ、やさしーく言ってあげようか? 同じこと」
「いいよ。気持ち悪いから」
気持ち悪い、か。
ま…あ、そうだね。
キャプテンとか柄じゃないのは、わたしもわかってるよ。
回廊にはもうだれもいない。
準は、スーッとわたしの横に立つと、空を見上げた。
「…………」
初めて会ったときより、また背が伸びたんじゃないのかな。
ストレートで相手校の3年生に敗れたブロック大会から、準がときどき見せるこの横顔。
やわらかそうな頬はそのままだけど……。
たしかにきみは変わったね。
いつまでも、いつまでも、きみはそうやって、自分を責めていくのかな。
黙々とただ汗をかいて、あの屈辱を追いかける。
わたし…見てるよ。
あれから、ずっときみを見てる。
約束したものね。
「自分はどうするの?」
「早く掃除に行きなさい」
男子集団に準も交じっていたなんて気づかなかった。
このごろ、準はときどきこういうことをする。
いつもはどこにいても目立つのに、フッと気配が消えている。
それはほとんど、わたしがキャプテンぶっているときのような気がするから。
やっぱり違和感があるのかなぁ。
「ちぇ。宮地や大島にはやさしいこと言ってたくせに」
話しだすと、いつもの生意気・準だけど。
「あら。じゃあ、やさしーく言ってあげようか? 同じこと」
「いいよ。気持ち悪いから」
気持ち悪い、か。
ま…あ、そうだね。
キャプテンとか柄じゃないのは、わたしもわかってるよ。
回廊にはもうだれもいない。
準は、スーッとわたしの横に立つと、空を見上げた。
「…………」
初めて会ったときより、また背が伸びたんじゃないのかな。
ストレートで相手校の3年生に敗れたブロック大会から、準がときどき見せるこの横顔。
やわらかそうな頬はそのままだけど……。
たしかにきみは変わったね。
いつまでも、いつまでも、きみはそうやって、自分を責めていくのかな。
黙々とただ汗をかいて、あの屈辱を追いかける。
わたし…見てるよ。
あれから、ずっときみを見てる。
約束したものね。