ささやきはピーカンにこだまして
「姉ちゃん!」
二紀がロータリーで手を振っている。
道行く人が、みんなパッと二紀のほうを見るのは、離れたところからだととても納得。
お昼の太陽のした、暗い構内からだと本当にまぶしいほどの笑顔。
わたしたちが似てるなんてとんでもない。
わたしには、あんな笑顔はできないってだれだって知ってる。
だれに見られてもかまわないと思える強さ。
いつでも、どこででも、だれにでも、自分自身でいられる強さ。
「…………」
わたしは気づいてる証拠に小さく手を振り返すことしかできない。
そんな自分がいやになってきたのも二紀がバド部に入ってくれたから…かな。
二紀のお姉ちゃんじゃイヤなんだ。
準にだけは、そんなふうに思われたく…ない。
ちゃんと八木 一路でいたいよ。
「姉ちゃん! 画像、送った。ちゃんと見て! 迷子になるなよー」
「――――ぇ?」
「いってらっしゃーい」
えええ?
ポケットのケータイがぶるぶると震える。
二紀はまだ手を振っている。
「なに?」
着信は2件。
「やだ……」
知らない町の地図とメッセージ。
二紀がロータリーで手を振っている。
道行く人が、みんなパッと二紀のほうを見るのは、離れたところからだととても納得。
お昼の太陽のした、暗い構内からだと本当にまぶしいほどの笑顔。
わたしたちが似てるなんてとんでもない。
わたしには、あんな笑顔はできないってだれだって知ってる。
だれに見られてもかまわないと思える強さ。
いつでも、どこででも、だれにでも、自分自身でいられる強さ。
「…………」
わたしは気づいてる証拠に小さく手を振り返すことしかできない。
そんな自分がいやになってきたのも二紀がバド部に入ってくれたから…かな。
二紀のお姉ちゃんじゃイヤなんだ。
準にだけは、そんなふうに思われたく…ない。
ちゃんと八木 一路でいたいよ。
「姉ちゃん! 画像、送った。ちゃんと見て! 迷子になるなよー」
「――――ぇ?」
「いってらっしゃーい」
えええ?
ポケットのケータイがぶるぶると震える。
二紀はまだ手を振っている。
「なに?」
着信は2件。
「やだ……」
知らない町の地図とメッセージ。