ささやきはピーカンにこだまして
第8章『ふたりだけのインターバル』
 屋内競技場には静かな拍手の音が響いていた。
 4面コートでは高校総体・都予選会、個人の部2回戦が次々に幕を閉じていく。
 テニスの試合同様、声を出したりアドバイスしたりは許されていないから。観客席は勝ったひとに…敗れたひとに…ただ精一杯の拍手をおくるだけ。
 そして……。
 バウンドの神様のきまぐれがないスポーツ、バドミントンに《まぐれ》はない。
 勝者はただ、より強かった、よりうまかったひとだ。

 あぁ、真澄先輩。
 がんばって、結城!
 結城先輩!

 女バドのみんなが小さな声で祈るように応援しているけれど。
 結城・真澄ペアは、よくねばっているけれど……。

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