声と性癖
「あなたしか、いらない…。」
情熱的で、甘くて、時折強引で、けれど、思いやりのある優しい人。

確かに残念なところもあるけれど、完璧な人間などいないのだ。
むしろ、それくらいあって普通なのかもしれない。

蓮根にはマイナス部分もあるが、それを有り余る程にプラスの良いところがたくさんある、と結衣は思った。

ならば、悪くはない。
今日も一緒にいて楽しかった。
蓮根も結衣を喜ばせようとしてくれたし、とても大事にしてくれたのをとても感じたから。

「よろしく、お願いします…。」
「本当?!うわ!すごく嬉しいです。結衣さん、可愛い!大好きですよ。」

大人の男性のくせして、子供のように喜ぶから。
「今日からあなたは、僕だけのものだから…。」
ぼそっと聞こえた囁き。

ん……?
なんか、言った??
        
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