声と性癖
『少しは会えなくて寂しいって思ってくれるんだ?』
急に声が甘くなる。
結衣はくすぐったいような気持ちになって、けれど、
「そうですよ。」
と正直に答えた。
『はぁ…、あなたを抱きしめたい。結衣さんの声、好きですけど、人って、欲張りですよね。』
「欲張り?」
『ええ。始めは、あなたの声をもう一度聞ければ良かった。次に一目会えたらって。で、同じ時間を共有したくなって、あなたを独り占めしたくなって…。』
蓮根の想いが強くなっていく様を、語られて、結衣は素直に嬉しいと感じる。
その、低くて時折掠れるセクシーな声は、結衣だって、好きだ。
いつも、蓮根が結衣さん、話して?と言うが、その気持ちも分かる気がする。
仕事も充実しているので、いつもいつも考えるわけではないけれど、会社の休憩中に、綺麗な夕焼けとか見てしまったら、蓮根にも見せてあげたいな、とか、今何しているのかな、と思う。
そうやって、蓮根のことを思うと、とても心が満たされて、それだけでも幸せな気持ちになるのだ。
「そうですね。確かに欲張りかも。でも、涼真さんがいてくれるだけでも、私、幸せかもしれないです。」
『ん?』
よく響く、ん?と言う声。
それだけで、結衣はため息が出そうだ。
急に声が甘くなる。
結衣はくすぐったいような気持ちになって、けれど、
「そうですよ。」
と正直に答えた。
『はぁ…、あなたを抱きしめたい。結衣さんの声、好きですけど、人って、欲張りですよね。』
「欲張り?」
『ええ。始めは、あなたの声をもう一度聞ければ良かった。次に一目会えたらって。で、同じ時間を共有したくなって、あなたを独り占めしたくなって…。』
蓮根の想いが強くなっていく様を、語られて、結衣は素直に嬉しいと感じる。
その、低くて時折掠れるセクシーな声は、結衣だって、好きだ。
いつも、蓮根が結衣さん、話して?と言うが、その気持ちも分かる気がする。
仕事も充実しているので、いつもいつも考えるわけではないけれど、会社の休憩中に、綺麗な夕焼けとか見てしまったら、蓮根にも見せてあげたいな、とか、今何しているのかな、と思う。
そうやって、蓮根のことを思うと、とても心が満たされて、それだけでも幸せな気持ちになるのだ。
「そうですね。確かに欲張りかも。でも、涼真さんがいてくれるだけでも、私、幸せかもしれないです。」
『ん?』
よく響く、ん?と言う声。
それだけで、結衣はため息が出そうだ。