声と性癖
長い電話の全てが、クレームという訳ではなく、中には寂しさのあまり、話が長くなってしまったり、夜中に電話をかけてくる常連さんもいる。

まさに、人っていろいろだよね、と言いたくなるのがこのコールセンターだ。

最後に、明日自分が対応しなくてはいけない今日の案件である、蓮根涼真の顧客情報を確認する。

車については数台の契約もあるようだが、保有している法人が代理店登録されていた。

あれ?代理店さん?
…ということは、関係者、ということになるが。

今度はその登録されている蓮根の代理店としての、内容を確認する。

顧客の人数は少ないけれど、個人のロットが大きく、場合によっては自分の会社の営業が個別対応している案件もあるようだ。

それはつまり、この、蓮根涼真という人物は、会社を経営していて、その会社が車を数台保有しており、その客先は富裕層と呼ばれるお金持ちである、ということだ。

営業が個別対応しているのは、総合提案している先がある、ということだろう。

何やってんだろ…。
蓮根涼真の申告は、
税理士…。

なるほど。
道理で。
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