声と性癖
待ち合わせに現れた結衣は、ベージュのニットにフレアスカート。

仕事の時は、コールを受ける時、小走りしたり、身体を屈めるので、パンツが多いと言っていた。

だからこそ、プライベートでは、ちょっとお仕事では着れないものも着たくて、とショッピングに行った時に聞いた。

服も、欲しいものがあれば、プレゼントする、と言ったのだが、
「あ、ごめんなさい。」
と返事が返ってきた。

「見たかっただけなのに、付き合わせてしまって。」
恐縮されるような事でもない。
むしろ、自分が買ったものを結衣に着てほしかったのに。

いつでも、側にいたいし、下着を選びたいと言われても、喜んで付き合う。

こんなに可愛いくて、仕事はプロで、優しくて。
今日は、どんな姿が見れるのか。
蓮根は、自分の気分が上がっていることを感じながら、車のエンジンをかけた。

お茶の体験のためにお寺に行った時も、お茶の席は初めてだ、と素直に住職に打ち明けていて、先方にも好感触だったようだ。

レクチャーを受けながら、楽しんでいる雰囲気がとても、伝わってきた。
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