声と性癖
一際高く上がった、結衣の声に、
「よく出来ましたね。」
と優しく蓮根は囁きかけた。

今まで、感じたことのない、強く大きな波に攫われるかと思った結衣は、まだ、呆然としていて。

ぐったりする身体には、力が入らない。

「すごい、太腿まで、ぐっしょりですね。」
結衣は、ぼうっとしている。
それを見た蓮根は口元に笑みを浮かべて、結衣の頭を撫でた。

「ん…」
気持ち良さそうな結衣のその顔を見て、蓮根は更に微笑む。

そして、脱力しているその下肢の、両足を片方ずつソファの肘掛けにそっとのせる。

自然、大きく開く形になる下肢に抵抗したいし、恥ずかしいけれど、結衣は身体に力が入らない。

かろうじて、か細い声が出るだけだ。
「んっ…あ、や…」

「大丈夫。」
甘い表情に優しい、優しい、声。

「すごくたくさん濡れていて、零れそうだから…」
蓮根はすうっと、結衣の頬を撫でる。
そして、結衣を見つめて、唇にキスを落とした。

「だから、ぜんぶ、舐めとってあげる。」
柔らかく、微笑んでそんな事を言う。
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