声と性癖
12.ご趣味は……?
「何もかもが好み過ぎて、何もかも欲しいんです。可愛いところも、喜んでいるところも、涙ぐんでいるところも、恥ずかしがっているところも、気持ちよすぎて、喘いでいるところも、全部、全部、です。こんな気持ちになったことはない。自分でも、驚いているんですよ。」

結衣だって、こんなに熱く、すべてを求められたことはない。

怖い気持ちもある。
けれど、こんなに素直に真っ直ぐ自分を求められることは、嬉しくもある。

「ん……」
左手で口元を抑えて、結衣はそっと右手を差し出した。

察した蓮根が、優しく笑って指を絡めてくれる。

「結衣さん、下さい。僕にあなたを味わわせて?」
「あんまり……しちゃ、だめ……」
「さあ……?それは聞けないかな。」

その瞬間、大きく開かれた足の間に蓮根が顔を埋めてしまう。
水音と共に、下半身に広がる快感。
敏感になり過ぎて、唇の感触も、その舌の感触もすべて感じる。

堪えきれない声が漏れて、絡めている手をぎゅうっと握ると、蓮根がふふっと笑った。

「涼真さんっ……や、息……当たって……ます。」
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