声と性癖
けれど、蓮根はそれを隠し立てすることは、今までしていない。
結衣がこの人いいな、と思うのはその蓮根の裏表のないところだ。

そして、結衣を趣味と言い切ってしまうくらい、とんでもなく気持ちを傾けている。

今だって黙ってソファに座っていれば、イケメンだしスタイルは良いし、見た目だけなら、とても素敵だ。

見た目だけなら!!
大事なことは2回言うことに結衣はしている。

「結衣さん?」
「はい。」

「来てください。写真は今日は我慢しますから。今度、撮らせて下さいね。その代わり……」
覚悟してくださいね?

そう、囁かれて、膝裏を持ち上げられ、そのままベッドに降ろされた。

か……覚悟って、なんでしょうか……?



カチャカチャ、と鍵を回す音と、ガチャっとドアの開く音。

ん……。
結衣はうっすら目を開ける。

ここは……。

見慣れない天井に、昨日の夜のあれこれを思い出し、結衣はあわあわしてしまう。

結局、あのままベッドでされて、半分気を失うようにして眠りについたのだ。
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