声と性癖
この日の当番の佐野太一《さのたいち》が話しかけてきた。
佐野は、結衣のこのセンターでのOJT を担当してくれた社員だ。
そして、リーダーを束ねる、コントローラーと呼ばれる立場でもある。
結衣の直属の上司となるのだ。
このセンターでは、5人ほどのリーダーの上に一人のコントローラーが付く。
とは言え、リーダーはシフトでもあるので、全員が毎日顔を合わせる訳ではない。
佐野は夜勤を中心に見ている男性社員で、厳しいけれど、裏表はない人だ。
普段はふざけてばかりの明るい人だが、一旦インカムを付けると、その低くてよく響く声で、動揺しているお客様を落ち着かせる天才だとも言われていた。
180センチを超える長身と、体格が良いので、何か運動でもやっていたのかと思うが、本人曰くにスポーツとはほとんどご縁がない、と言っていた。
ただ、体調を整えるために、身体は鍛えてはいるらしい。
「結衣っち!お疲れ!ん?誰かな?」
「佐野さん、お疲れ様です。今、研修中の研修生さんです。夜勤の契約社員さんになる予定なんですよ。」
「おー!ようこそ!今日の夜勤の当番の佐野です。」
「藤川です。」
藤川は緊張した様子ながらも、一生懸命、顔を上げ、挨拶している。
佐野は、結衣のこのセンターでのOJT を担当してくれた社員だ。
そして、リーダーを束ねる、コントローラーと呼ばれる立場でもある。
結衣の直属の上司となるのだ。
このセンターでは、5人ほどのリーダーの上に一人のコントローラーが付く。
とは言え、リーダーはシフトでもあるので、全員が毎日顔を合わせる訳ではない。
佐野は夜勤を中心に見ている男性社員で、厳しいけれど、裏表はない人だ。
普段はふざけてばかりの明るい人だが、一旦インカムを付けると、その低くてよく響く声で、動揺しているお客様を落ち着かせる天才だとも言われていた。
180センチを超える長身と、体格が良いので、何か運動でもやっていたのかと思うが、本人曰くにスポーツとはほとんどご縁がない、と言っていた。
ただ、体調を整えるために、身体は鍛えてはいるらしい。
「結衣っち!お疲れ!ん?誰かな?」
「佐野さん、お疲れ様です。今、研修中の研修生さんです。夜勤の契約社員さんになる予定なんですよ。」
「おー!ようこそ!今日の夜勤の当番の佐野です。」
「藤川です。」
藤川は緊張した様子ながらも、一生懸命、顔を上げ、挨拶している。