声と性癖
照れたような表情を浮かべて、少し俯く藤川が、思い出したように顔を上げる。
あ、真っ直ぐ見てくれた。
そう言えば、今まで藤川とあまり目線が合わなかったかもしれない。
藤川は素直で頑張り屋さんだ。
逆に無理し過ぎないように見てあげた方がいいかな、と結衣は思う。
本人が口ごもっているので、ん?と結衣は首を傾げた。
「あ……えと、さっき、俺の、声……誉めてもらってすごく嬉しかったんで。結衣先生はそういうのちゃんと見てくれてるって言ったんです。」
「え?あ……はは、良かった、けど……面と向かって誉められると、嬉しいけど、照れるね。」
「結衣先生。」
「ん?」
「俺、頑張りますから。」
「うん。一緒に頑張ろう。」
その日から、藤川は座学にも積極的に取り組むようになったし、分からない事は、経験者に聞いたり、それでも不明なことは、結衣に聞きに来るようになった。
素直で一生懸命な性格なので、研修生皆に愛されている。
「…て、ことがあって、まるで、子供のように可愛いのです!」
夜、寝る前に涼真へ電話でそう報告する結衣だ。
あ、真っ直ぐ見てくれた。
そう言えば、今まで藤川とあまり目線が合わなかったかもしれない。
藤川は素直で頑張り屋さんだ。
逆に無理し過ぎないように見てあげた方がいいかな、と結衣は思う。
本人が口ごもっているので、ん?と結衣は首を傾げた。
「あ……えと、さっき、俺の、声……誉めてもらってすごく嬉しかったんで。結衣先生はそういうのちゃんと見てくれてるって言ったんです。」
「え?あ……はは、良かった、けど……面と向かって誉められると、嬉しいけど、照れるね。」
「結衣先生。」
「ん?」
「俺、頑張りますから。」
「うん。一緒に頑張ろう。」
その日から、藤川は座学にも積極的に取り組むようになったし、分からない事は、経験者に聞いたり、それでも不明なことは、結衣に聞きに来るようになった。
素直で一生懸命な性格なので、研修生皆に愛されている。
「…て、ことがあって、まるで、子供のように可愛いのです!」
夜、寝る前に涼真へ電話でそう報告する結衣だ。