声と性癖
「涼真さん……」
結衣はふわりと笑って、両手で、目の前の整った涼真の顔を両手で包み込む。

「バカですか?」
「っえ?」

「好きでなきゃ、許しません。勝手に声を録音するわ、写真は使うわ、あとこの前も、なんかさらりとシャツの写真とか撮っていましたよね?あと、でっ、電話のアレ……とか。」
結衣は自分で言いつつ、真っ赤になってしまう。

「あんなの、……好きじゃなきゃ、出来ない……。」
「結衣さんっ……」
強く、強く、背がしなるほどに抱き締められる。
    
「あなたを愛している。守りたい、大事にしたい。けれど、独占したいのも本当なんです。」

「涼真さん……独占して?」
「結衣さん……」

「独占されたい。独り占め、して?」
「知りませんよ?そんなに煽って。どうなっても。」

「っあ……」
横抱きされて、ベッドに連れていかれる。

そっと、優しく降ろしてくれたけれど、結衣の身体の横に手をついた涼真の瞳は熱を孕んでいて、気付いた時には、唇が重なっていた。
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