声と性癖
「結衣さんのいや、ってすごく可愛い。この前、教えたでしょう。いいときはいいって言うんですよって。でも、いやって言っても止めませんけどね。」

涼真の色香を伴って、きらきらと煌めく瞳に、結衣は胸がどきどきする。

「尖ってきましたね。ここ。」
片手で結衣の両手を抑えたまま、その尖ってしまっている胸の先端に涼真は軽く触れる。

触れているかいないかくらいのそっとした撫で方に、腰がぞくん、として身体が揺れてしまう結衣だ。

「さっきから、身体がびくびくしていますね。感じるの?」
「っふ……」

だって、ぞくぞくして身体が自然に跳ねてしまうのを抑えることなんて、出来ないから。

「声、抑えちゃダメって、言いましたよね。結衣さん……」
耳元に息を吹き掛けるように、名前を呼ばれる。

「あぁんっ……」
突然、耳元にくちゅ……と濡れた音がして、耳を舐められたのだと知る。

抑えようのない熱が、身体を走り抜けた。
けれど、腕が頭の上に括られたままなので、自分の思うように動けなくて、ひたすら、身体が熱くなって、追い込まれる。
< 187 / 270 >

この作品をシェア

pagetop