声と性癖
「涼真、さん、っう……ふぇ……」
「そんな涙目で……。可愛い。」
じわっと浮かんだ涙も、くすりと笑った涼真に唇で吸われる。

「独占していいんですよね。独り占め、されたいんでしょ?してあげる。」

唇は胸元に落ちていく。
ちゅ、ちゅ……という音が時折強くなって、きつく吸われているのが分かる。

「涼真さん、お願い、手……離して?」
結衣の身体から顔を上げた涼真は、思いがけないくらい綺麗に笑った。

「まだだめ。もっと、もっと僕のものにし尽くして、抵抗も出来ないくらい……そうしたら離してあげてもいい。今は、こうさせて……」

なぜか、結衣はその時、涼真の孤独を見たような気がした。

何でも独りで解決出来る人だ。
独りで生きて、独りで生きていくことを、おそらく決心していたはずだ。

だからこそ手に入れた結衣を絶対離さない、という強い独占欲を涼真から感じる。

大丈夫だよ、と言ってあげたいのに、身体は快感に追い込まれて感じ過ぎて、涙が込み上げてくる。
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