声と性癖
結衣が快感に縛られたら、涼真は安心するのだろうか?
「……んっ、あ……。気持ち、い。も、だめ……涼真、さぁんっ……」
だから、結衣は甘い声を聞かせる。
何度も何度も。

「舌、下さい。舐めたい。」
「ん、……ふぅ、んっ……」

緩く差し出した結衣の舌を、涼真は嬉しそうに吸い上げる。
そうして、絡み合わせたあと、結衣の口の中を探った。

結衣は口の中にも、こんなに感じるところがあるなんて思わなかった。
涼真にそこをくまなく探られて、初めて知ったことだ。

「結衣さん、僕を見て。」
結衣は閉じそうになる瞳を必死であけ、涼真と視線を絡める。
涼真の熱を帯びて、うっとりとした視線。

「すごく綺麗だ。どれだけ感じて乱れても、ぐちゃぐちゃになってしまっても、結衣さんは僕を惹き付けて止まないし、そんなあなたが見たいんです。もっと見せて?誰にも見せたことのない結衣さんを見せて下さい。」

「……っ、そんなとこばっかり、見てるのに?」
「ん?」
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