声と性癖
17.カチ、それはスイッチの入る音です、
土曜日が出勤、日曜日が休みで、月曜日が遅番。

つまり、日曜日はゆっくり出来るというシフトの土曜日、結衣は涼真の自宅マンションにいたのである。

結衣が、自分の作ったビーフストロガノフが無性に食べたい。と言ったところ、涼真が食べさせて欲しいとすごくねだったので、作りにきたのだ。

「圧力鍋で一気にやっちゃうんで、すぐ出来ますからね。」
部屋着の袖をまくって、結衣がキッチンに立つ。

「手伝います。」
涼真の自宅には、そこそこの料理道具が揃っている。

涼真は一時期、料理にハマっていたらしい。
その頃は凝っていろいろ作っていたけれど、今は忙しくて、外食中心になってしまっていると言っていた。

そんな涼真は結衣のためにと気付いたら、いろいろ、部屋着からスリッパ、下着からエプロンまで揃えてくれている。

「結衣さん!部屋着可愛いです。やっぱり似合いますねジェラピケ。」

もこもこのタオル地のパーカーとショートパンツにソックス。それが全部、お揃いの柄なのだ。肌触りは最高だし、色合いも可愛い。
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