声と性癖
部屋着やエプロン姿、料理をしている姿も手伝いながら、さり気なく写メに収めている涼真だ。
部屋着は結衣も気に入ったのだが、どんな顔して選んだのか……は、あまり、考えないことにした。
エプロン、もお揃いのブランド物。
どんな顔して選んだのか……もう、以下略だ。

ただこうして、一緒に過ごすことをすごく楽しみにしてくれていたんだろうなぁ、という気持ちはとても伝わってきて、それは純粋に嬉しい。

「やはり、玉ねぎからですか?」
「うん。普通に真ん中で切って、どんどんスライスしていって。あまり薄くなくていいので。」
「はい。」

包丁を持つ涼真は、一時期料理に凝っていたというだけあり、手慣れた様子で結衣に言われた通りに玉ねぎをカットしてゆく。

涼真も同じブランドの部屋着を着ていた。
ヘンリーネック、つまり丸襟のボタン止めになっているデザインのものを着用している。

涼真のものは紺のストライプで、生地もサッカー地のさらりとしたものだ。

部屋着なので、ボタンも上までぴっちり閉めている訳ではない。
時折ちらっと見える胸元に、結衣はどきりとさせられていた。

無駄に色っぽいんだよね。涼真さんて。
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