声と性癖
パスワードロックを解除し指紋認証し、さらにファイルを開くのにもパスワードを要求される。
それで、ようやくファイルを開くことができるのだ。
……と、画面には、結衣の笑顔だったり、寝ているところだったり、歩いているところ、こんなところまで撮っていたんだと思うような、食べ物を美味しそうに食べてるときの表情まで、たくさんの映像が画面上に出てきた。
結衣が驚いたのは、どれもとても表情が活き活きしていて楽しそうなことだ。
寝ている時ですら、幸せそうに見える。
こんな風に見えているんだ……。
「可愛いでしょう?」
愛おしげに画面を見る涼真だ。
「そうですね。思ったより……」
「結衣さん、ありがとう。認めてくれて、嬉しいです。けれど、この趣味については美化するつもりはありません。気持ち悪いとかありえないとか、散々言われてきましたし、事実不快に思われたこともある。結衣さんも不快に思ったなら、言って下さって構いません。」
いつも、あんなに熱に浮かされたような熱い目をする癖に、今日に限っては覚悟が決まっているのか、とても凪いでいる。
「本当は結衣さんも、腕の中に閉じ込めてどこにも出さないで、誰にも接触させないで僕だけのものにしたいくらいなんだ。けどそんなことしたら、あなたはきっとダメになってしまうだろうからそれはしません。」
時折、涼真はこんな風になる。
それで、ようやくファイルを開くことができるのだ。
……と、画面には、結衣の笑顔だったり、寝ているところだったり、歩いているところ、こんなところまで撮っていたんだと思うような、食べ物を美味しそうに食べてるときの表情まで、たくさんの映像が画面上に出てきた。
結衣が驚いたのは、どれもとても表情が活き活きしていて楽しそうなことだ。
寝ている時ですら、幸せそうに見える。
こんな風に見えているんだ……。
「可愛いでしょう?」
愛おしげに画面を見る涼真だ。
「そうですね。思ったより……」
「結衣さん、ありがとう。認めてくれて、嬉しいです。けれど、この趣味については美化するつもりはありません。気持ち悪いとかありえないとか、散々言われてきましたし、事実不快に思われたこともある。結衣さんも不快に思ったなら、言って下さって構いません。」
いつも、あんなに熱に浮かされたような熱い目をする癖に、今日に限っては覚悟が決まっているのか、とても凪いでいる。
「本当は結衣さんも、腕の中に閉じ込めてどこにも出さないで、誰にも接触させないで僕だけのものにしたいくらいなんだ。けどそんなことしたら、あなたはきっとダメになってしまうだろうからそれはしません。」
時折、涼真はこんな風になる。