声と性癖
「あなたが許してくれるのをいいことに、好きにしている。そんなところも、とても好きです。これからも結衣さんの側にいることを許してくれますか?」
「もちろんですよ。」

涼真は目を閉じて、結衣に縋るように抱きしめる。
「もう僕は本当にあなたがいないとダメなんだ。あなたに何度も何度も恋をして、側にいたくて。側にいて欲しくて。」

「普段はエッチで変なことばっかり言っているのに、今日はどうしたんです?」
「ん……あなたがフォルダを見たいと言ったので、全てを話すつもりでいました。」

それでも側にいることを許してくれますか?
囁くような声で言われて、結衣は涼真の髪をそっと撫でた。

「私案外しつこい性格です。諦め悪いし。だから、一旦決めたら離れるとか許さないのは私の方かも。」
涼真は、はぁ……とため息をついて、結衣を膝に乗せる。

結衣も素直に乗っかって、きゅうっと抱きしめた。

「結衣さん、一緒に住みませんか?」

「え?あの、でも私……」

「うん。結衣さんがお仕事大事にしているのは分かっています。だから、あなたは都合のいい時に来てくれたらいいです。でも、もっと2人の時間を持ちたいんです。僕の事務所と結衣さんのセンターの真ん中くらいで。」
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