声と性癖
結衣はハッとして、
「ごめんなさい!スイッチ入ってしまった。」
と謝り、それでも何かあれば、言ってくれたら、アドバイスできることもあるかもしれない、なんて惚れてまうやろー!な振る舞いの人だったのだ。

女性としてというより、人としてカッコいい。

と、なにかを察した兄に間に入られた。
「結衣さんは無防備に笑顔を振りまかないでください。楓真、その気になるなよ。結衣さんはお仕事モードだ。」
別に涼真兄の彼女に何かしようとか思わないし。

しかもよくよく見たら、ジェラピケの部屋着。
涼真もだ。
エプロンまで、揃いのブランドだし。

まあね、家の中だから?いいんですよ?
お揃いでも、ペアルックでも。

しかもいかにも!なペアルックではなく、ブランドを揃えていたりするところが、また大人のお揃いで羨ましい……いや、小憎らしい。

「なんなの、さりげに色んなお揃い。見てるこっちがげんなりするんですけど。」
「部屋着なんだから、構わないだろう?」
なに、そのドヤ顔。
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