声と性癖
「結衣さん、それなんですか?」
「あ、身体が温まるものです。」
そう言って、結衣はにっこり笑う。

「涼真さーん。このはちみつゆず酒っていうのが、すごく温まって身体に良さそうなので、作ってみました。」

結衣がそう言って、カップにそのはちみつゆず酒を持ってきてくれた。

「まあ、確かに身体に良さそうだね。」
そう言って、涼真は一口飲んで、ん?となった。

口当たりに対して、アルコール度数が高い気がしたからだ。
「結衣さん?これ、何が入ってます?」

「えっとぉ?んー?佐野さんから頂いたんですけどぉ、スピリタス?ってなにかなー?」
「結衣さん、味見した?」
「もちろんっ!」

完全に酔っ払いだし、スピリタスはおそらく、スピリットのことだろう。
だとすれば、アルコール度数は90度を超えるはずだ。

希少と言えば希少な酒だが。

「佐野さん?なんて言ってました?」
「涼真さんに飲ませろって……。おいしーのに、ねぇ?」
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