声と性癖
それを考えれば、この程度!
全然、なりきる自信はあるねっ!

結衣もそこではないのだが、しつこいようだがとりあえず、今ここに止めるものは何もない。

「お具合、いかがですかぁ?」
「熱…上がりそうです。はぁ…すごく、可愛くて色っぽい看護師さんですね。」

「お熱、測りましょうね?」
「結衣さん、たまらないです。」
「あら、平熱だ。ホントに下がったんですね。良かったぁ……。」

「結衣さんのおかげです。」
涼真がそっと結衣を抱きしめようとすると、結衣が
「だめですよー。」
と言う。

「え?」
「病人は大人しくしてないと……看護師さんの言うこと聞いて、ね?」
にこっと笑う結衣が可愛くて、つい涼真が手を伸ばすと、ぺしっとはたかれた。

結衣のほっぺがぷうっと膨れている。
「病人さんはぁ、看護師さんにイタズラしちゃ、ダメなんですよ。」
「は?」
いやいや、ここまでされて、触っちゃダメとかないだろう。
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