声と性癖
あ……れ……?
「蓮根さん、声が聞きたいんですか?」
「はい。もっと、話してください。」
なに、その即答?!
話しづらいわ!

「あなたの声を聞いて、ステキな声だと思っていました。だから、普段、代理店研修など出ないんですけど、この度来てみたら、まさか、偶然あなたにお会い出来るなんて。」

「そういえば、他の階でやってましたね。代理店研修。」
比較的たくさん開催されるので、意識していなかったけれども。

「営業の北条さんが待ち構えていて、面倒だと思いましたけど、その先の店にあなたがいたから。運命かと思いました。」

気のせいだろうか…甘い、と思っていた表情が少し怖い…。
危ない人なんだろうか。

「蓮根先生…」

「そんな風に呼ばないで?涼真、と呼んでください。」

「無理です。」
「ステキです。」

いや、意味わかんない。
てか、会話になってない。
それにこの人ヤバすぎでしょ!!
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