声と性癖
「それに、あなたは僕が嫌いではないですよね?何が気になったんです?顔?」
「違います!」

うっ、このタイミングで……。
「じゃあ、何なんですか?」
「嫌い、ではないです。でも、よく存じあげないですし……。」

「これから、お互い知っていけばいい。」
お願い……もっと知りたいんです。と耳元に囁かれ……。

またっ……。
さすがに直接耳元で囁かれると、ビクッとしてしまう。

「ね、何でそんな顔してるんです…?」
絶対、絶対、言いたくない!

このガチな声フェチの人の声に、腰が砕けそう、とか言いたくない!
なんだか!!

「じゃあ、最初は話すだけ。会ってもいい、と思ったら会ってください。」
ニコッと笑顔を向けられ、つい、こくっと頷いてしまった結衣だ。

そして、その場で電話番号とかメルアドとか、果ては、メールアプリのIDまで交換して、また、連絡します、とホテルまで送ってもらった。

部屋に着くと、結衣はベッドにヘタリ込む。

何?!何?!何が起きたの?
うっ……変態にマウント取られてるんじゃ……。   

    

    
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