声と性癖
この、ため息がそもそもっ…。
「耳、感じるの?」
違うけど、そういうことにしておきたい。

「ねえ?」
息を吹きかけられるようにして、声を注ぎ込まれたら、どうしたらいいのか、分からない!

「んっ…」
「可愛い…。キスしちゃ、だめかな?」
「だ…め、ですっ。」
ハグだけって言ったし!

「もう…いいですよね?お約束…したでしょう?」
「あー、結衣さん、可愛い。確かに今キスしたら、それだけでは止められないかも知れませんね。」

「絶対ダメ。」
「分かりました。」
今日は帰ります。

名残惜しそうに、ゆっくりと身体が離れて、最後にふわっと頬を撫でられた。
    
    
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