声と性癖
確かに。
それならありうるかも。
声フェチとは関係なく、単に好みの声質だった、というだけ。
だから、蓮根以外には反応なんてしたことはない。

「それって、考えてもしよーがないやつ?」
「しょーがないですね。ツボだもん。もう、会わないの?」
「あ…いや、会う、けど、土曜日…。」
「マジですか?!」

会ってみたら、もっとまたいろいろ分かりますよ!と莉奈はにこにこしている。

「面白がっている?」
「ちょっとだけ。だって、納得なんですもん。」

ツボってるから、納得??

「違います。結衣さんの神対応に惹かれる人が出てしまったことに納得。本当にうちのセンターの女神と呼ばれてるの、知ってます?」
「え?知らないよー。」

なんだし、女神って。


そうして、まだ迷いのある結衣の感情とは関係なくやってきた土曜日だ。
雨天中止とかにはなんないよねぇ……などど、一瞬考えてしまった結衣の気持ちを他所に、呆れるほどの晴天だった。
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