声と性癖
熱に浮かされたような、蓮根の言葉にぞくん、とする、結衣だ。

ただ、甘いだけのものかと思っていたけれど、それだけではない、気持ちにくらくらする。
    
「結衣さん…、」
ふ、と蓮根と目線が絡まり、キスされる?と結衣は目を閉じてしまった。

ふっと、蓮根の息が頬にかかり、その唇は耳元に移る。
「可愛い…」
と囁かれて、ぞくぞくっとした結衣は、蓮根の服をぎゅうっと掴む。

「耳、感じるの?この前も、耳元、感じていましたよね?」

息をわざと吹き掛けるように、殊更低い声で、囁かれ、思わず甘い声が漏れてしまう。

ふーっと、息を吹きかけられて、鼻にかかったような声が出てしまい、結衣は口元を抑えた。
くすくすと、笑い声が聞こえる。
からかわれてるの?!

「その顔も、その声も、その仕草も…たまらない…。」
服一枚脱いでいないのに、結衣は先程から頬が熱い。

蓮根は涼し気な顔で、たまらないと言いながら、結衣を煽るだけ煽っているような気がする。

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