声と性癖
9.結衣!後ろ、後ろ!
白いそのマンションのエントランスに車を停め、後部座席のシートベルトを外した蓮根は、結衣の手を繋いで、中に入る。
入口には、コンシェルジュが微笑んでいて、蓮根は車の鍵を預けて、代わりに部屋の鍵を受け取っていた。
「車、動かしておいてください。」
「かしこまりました。」
「結衣さん、行きましょう。」
景色、いいですよ。とエレベーターに連れていかれる。
20階建ての最上階。
そのいちばん奥が、蓮根の所有する部屋のようだ。
リビングはほとんどが窓で、高層ビルのないこの辺りでは、かなり、遠くまで見通すことが出来る。
もちろん海も見える。
角部屋なので、窓が大きく取られているから、尚更だ。
「本当、いい景色!」
「時間によっては、海に沈む夕日とか見れますよ。食事はお願いすれば、ケータリングサービスを部屋まで持って来てくれます。6時くらいでいいですよね?」
夕食もここで食べることが決まりなんですね…。
つい、窓の外を見ながら黄昏《たそがれ》てしまう結衣だ。
入口には、コンシェルジュが微笑んでいて、蓮根は車の鍵を預けて、代わりに部屋の鍵を受け取っていた。
「車、動かしておいてください。」
「かしこまりました。」
「結衣さん、行きましょう。」
景色、いいですよ。とエレベーターに連れていかれる。
20階建ての最上階。
そのいちばん奥が、蓮根の所有する部屋のようだ。
リビングはほとんどが窓で、高層ビルのないこの辺りでは、かなり、遠くまで見通すことが出来る。
もちろん海も見える。
角部屋なので、窓が大きく取られているから、尚更だ。
「本当、いい景色!」
「時間によっては、海に沈む夕日とか見れますよ。食事はお願いすれば、ケータリングサービスを部屋まで持って来てくれます。6時くらいでいいですよね?」
夕食もここで食べることが決まりなんですね…。
つい、窓の外を見ながら黄昏《たそがれ》てしまう結衣だ。