声と性癖
「涼真…さん…」
「ん?なんですか?」
蓮根は微笑んで、結衣にキスをする。

「…ん…。あ…」
結衣の口からは甘い声が直ぐに漏れてしまって。

「ねぇ?今度、着たままのあなたとしたい。いつか、させて下さいね。今日はちゃんとしましょう。」
ふっと、腕の力が緩まって、蓮根は服を脱がせてくれた。

「あ、待って下さい。」
「なに?」
「あの…、シャワーとか浴びたい…」

顔を赤くして小さな声でそう言った結衣に蓮根は笑顔を返す。

「大丈夫ですよ。」
「無理です。」
「今ですか?」
「今でしょ。」

「一緒に…」
「それは大丈夫なんで!」
ちょっと食い気味だったかな。

はーっ、と蓮根がため息をつく。
「こんなに焦らせて、後で責任取ってもらいますから。どうぞ。シャワールームはあの扉です。」

ニットで胸元を隠して、ささっと、結衣は立ち上がった。
ぱたん、とシャワールームの扉を閉める。
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