声と性癖
こくこくっ、と飲むと、結衣はベッドにころん、と横になった。

あ、このベッドふわふわだー。
すごく寝心地がいい。

ちなみにここのところ、結衣は激務だった。
そして今日も慣れないことがたくさん起きて、疲れていた。

おやすみ3秒と結衣が言われていることを、蓮根は知らない。
いつの間にか、結衣の意識はフェードアウトしていたのだ。

パタパタパタパタ…という、キーボードを叩く音で、結衣は目が覚めた。

「…ん…。」
結衣の身体には薄い布団がかけられている。
見覚えのない天井。

テーブルで、蓮根がノートパソコンを叩いているのが見えた。
結衣が目が覚めたことに気付いて、蓮根は結衣に微笑みかける。

「起きましたか?」
「ご、ごめんなさい!寝込んでしまうなんて!」
「いえ?とても、可愛くて、良かったですよ。」

「涼真さん…、お仕事ですか?」
「ええ。少しだけ。大丈夫、もう、終わり。」
< 97 / 270 >

この作品をシェア

pagetop