ずっと気づかなかっただけ。
「チカくん?大丈夫?」

飛び乗って、

チカくんの上にのったまま、おでこをくっつける。

んんん?

これは…

「チカくん、熱あるよ?」

「…大丈夫、行く。」

チカくんが急に起き上がるから、

ひっくり返りそうになる。

「わぁっ、あ、ありがとう」

そんな私を抱き寄せて、

私の肩に頭を乗せて、

うとうととしてるチカくん。

「チカくん今日はお休みしてね。提出物とかあれば持ってくよ?」

いつもとは違って、

私がチカくんの頭をぽんぽんと叩く。

「…真白。」

チカくんが急に私を覗き込んで、

キスしようとするから、

慌てて手でガードする。

「だ、ダメだってば!」

「なんで。やだ?」

う。

熱で潤んだ瞳に、

少女漫画のイケメン男子顔負けの顔。
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