ずっと気づかなかっただけ。
「すみません、ありがとうございました…」

「キスされそうってわかったわけ?なんで避けたの」

え!

なんでって…

「太一のこと大好きだけど、その、わかんないです…違うって思っちゃって…」

「千景のもまだ拒んでんでしょ」

ち、チカくんが相談したのかな。

「う…チカくんはすっごく恥ずかしくてなんかいたたまれないというか、キュン死すると言うか…あれ、太一は…」

「まぁその調子で考えたら?千景の提出物もらう」

あっ、それで部室から出てきてくれてたんだ。

「お願いします。あの、ありがとうございました。」

クマさんはチカくんの課題を手に、

めんどくさそうに部室に歩いてく。

…何度も助けてもらってしまっている。

しっかりしないと。
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